環境社会学・環境倫理研究者 福永真弓(東京大学大学院・新領域創成科学研究科・准教授)

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福永真弓研究室について

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プロフィール

福永真弓

人と自然のあいだの記憶、心象風景、言説、行為を多様なスケールの史/誌からたどり、厚い記述とその分析をもとに、価値と規範を明らかにし、社会の仕組みを問い直す。

社会文化環境学専攻/環境倫理 流域と地域社会 環境正義
東京大学大学院・新領域創成科学研究科・准教授

福永真弓 (ふくなが まゆみ)

ようこそ、東京大学大学院新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻の福永真弓研究室(環境社会学/環境倫理)のウェブサイトへ! このウェブサイトでは、これまでの研究、現在おこなっている研究、そして、これから展開していく研究についてご紹介します。

わたしはこれまで、日本とアメリカ北西海岸を主なフィールドワーク先として、人びとと環境のあいだの関わりについて、主に①価値と規範、②人間社会側の資源を利用するための社会構造に着目しながら、多様な時空間のスケールの中にあるそれらを読み解き、記述すること、分析することを行ってきました。そして、記述と分析をもとに、人と環境の関わりの今後の百年を考えることを研究の主眼にしています。
記述と分析を手にしたとき、わたしたちは次の問いに向き合うことになります。

「誰のための、どのような環境と共に在る社会をよしとするか、それはどのような理由で妥当だと社会に認められるのか」。

環境問題の現場では技術的解のほかに、社会的解(※合意形成や参加や保全の動機形成,ルールの形成や遵守など)が必要です。むしろ、こちらの解を考えることの方が重要だといえるかもしれません。社会的解に向き合うことは、環境問題の根本的な構造と深く根のところで関わりのある資本制システムそのものや、社会正義という概念について、そして、「人が人らしく生きることとはどのようなことか、よりよい〈生〉とは何か」というきわめて倫理的な問いに向き合うことでもあります。

やっかいなことに、前述した「記述する」という営みもまた、実際には「誰のための、どのような」にはじまる問いの抱え方によって、変わってきてしまう側面も持ちます。

どのように捉え、記述と分析が可能か。研究という営みそのものや、知識や知の生産そのものがどうあるべきかも含めて、考え、実践に結び付けていきたいと考えています。

[略 歴]
1999年
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業
2001年
津田塾大学大学院国際関係論専攻修士課程修了
2007年
日本学術振興会(特別研究員〈DC2〉)
2008年
東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻博士課程修了(博士:環境学)
2008年
立教大学社会学部(助教)
2011年
大阪府立大学 21世紀科学研究機構エコサイエンス研究所(准教授)
2012年
大阪府立大学現代システム科学域(准教授,新学部への移動)
2015年
東京大学社会文化環境学専攻 准教授に就任

research activities

研究活動

(1)環境の価値と規範に関する研究とプラットフォームとしての環境倫理

「誰のための,どのような環境を,保全(あるいは再生)するのか,それはどのような理由で妥当だと社会に認められるのか」.環境問題の現場では現在,技術的解のほかに,社会的解(※合意形成や参加や保全の動機形成,ルールの形成や遵守など)の必要性が重視されている.この問いについて応えるには,以下が必要となる.

  • ①価値の複数性と多数性(人びとはいくつもの価値を抱えて生きている)を前提として,時空間のスケール,変容,価値の間の関係性も捉えながら,環境に関する価値を語る「語彙」を増やしつつ,その所在を描き出す.
  • ②価値の規範化の過程において,どのような手続きと過程がありうるのか.手続きや過程がなされる空間とはどのようなものであるべきで,そこに誰がいることが必要なのか.そしてどのような「正しさ」が必要なのか.その具体的な構想とはどのようなものであるかを,公共性などを手がかりに考える.
  • ③実際に価値の共有や創出や、文脈の形成が可能なのか、それがどのように規範に結びつくのかについて、社会実験の可能性も含めて考える。
  • ④現場に軸をおいて、フィールドワークを行いながらこれらについて考える。

キーワード:多声性,正統性,文脈,討議,公共性,環境正義

(2)流域と水圏の環境社会学的研究

流域と水圏を主なフィールドワークの対象地として、その人びととの歴史的な関わりの中での記憶、物語、心象風景などを手がかりに、環境ガバナンスについて具体的に考える。
現在の主要なフィールドワーク場所は、カリフォルニア州マトール川、クラマス川流域、岩手県宮古市津軽石川、閉伊川などである。

future plan

将来計画

プラットフォームとしての倫理がどのようなものでありうるかを現場から考えたい。
また、環境思想とジェンダーについても研究を進めたいと考えている。

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